先日、息子の誕生日に、10年ぶり位にハンバーグを作りました。いつもなら、家族皆で、彼の大好きなイタリアンレストランへ行き、お祝いをするのですが、屋内退去勧告(シェルターインプレイス)が発表されて以来、カリフォルニアのレストランは、全てデリバリーとテイクアウトのみとなっている為、我が家でご飯を作る事になりました。 私は、息子が7歳の時に彼が受けた膝の手術をきっかけに、食生活を見直す事になり、日本の伝統食を大切にする、マクロビオティックの食事法や哲学を学び、少しずつ、動物性タンパク質を食べなくなりました。リトリートの食事やケータリングでも、肉、卵、乳製品、白砂糖や添加物を使わないお料理を提供させて頂いているので、息子から「小さい頃食べてた、溶ろけるチーズが入っていたハンバーグが食べたい!」っとリクエストを貰った時、一瞬、怯んでしまいました。 折角のハレの日なので、放牧飼育された、抗生物質、ホルモン剤投与なしの、品質の良い牛肉を調達して、昔の記憶を辿りながら、何とか作りました。何が一番緊張したかというと、素手でお肉を練り込む作業!お肉を食べなくなってしまった人間にとっては、かなりの勇気が試されます。「ごめんね。牛さん。命をありがとうございます」っと、唱えながら、まずは塩を入れて、練って行きます。その後、炒めた玉ねぎの微塵切り、豆乳でふやかしたパン、卵、香辛料を投入して、再び練り込みました。お肉からは、静かで優しいエネルギーを感じました。 ハンバーグはとても美味しく焼けたようで、どんぶり茶碗で三膳もお代わりをした息子の大満足な横顔を見つめながら、後悔のような申し訳なさが、ちょっぴり胸をよぎりました。 もし、私がマクロビオティックに出会う事がなければ、彼は、大好きなハンバーグやチーズを思うままに食べる事が出来たかもしれません。息子のように、食べる事が大好きな子供にとって、母親の用意する食事が、野菜ばかりの食事に代わってしまい、辛い思いをさせてしまったと思います。実際、「マクロビオティックなんか、大嫌い!」っと泣き叫ばれた事もありました。 生まれた時から穀物菜食で育った子供であれば、溶ろけるチーズや焼肉の味も知らず、マクロビオティックやビーガンの食事に満喫しながら成長していけた事でしょう。けれど、7歳まで普通食をしてきた子供にとっては、幾ら膝を治す為の食事だと分かってはいても、それまで、当たり前のように食べていた食事が、食べれなくなってしまい、彼なりに戸惑い、苦しかった事と思います。もっと息子の気持ちに寄り添って、ご飯を作ってあげれば良かったと、心の中で息子に手を合わせました。 けれど、体が作られていく大切な時期に、マクロビオティックの食事で、息子の体作りのベースが出来た事は、私からの最大の贈り物だとも思っています。高校に入り、友人達と外食に行く事が日常茶飯事となり、家でご飯を食べる機会は激減してしまいましたが、体調が悪い時は、断食をしたりして、彼なりにバランスを整えています。そして、時々、友人達にも、さりげないアドバイスをしている事も知り、少し嬉しくなりました。 中学からずっと一緒にサッカーを頑張ってきた親友、A君が、夜中に時々、胃痙攣を起こして眠れないと息子に打ち明けたそうで「夜の10時以降は、メシを食べないで過ごしてみな!」っと伝えたそうです。すると、本当に胃痙攣が無くなったそうで、以来、A君は、夜中のスナックはやめたそうです。 これから大学へと進学し、親元を離れて生活していくので、体調が悪くなった時、市販の薬に手を出さず、自分自身で、調整出来る知恵を身に着ける事が出来た事は、嬉しい事です。 最後に、動物性タンパク質が体に与える影響について、ムスビの会の日本玄米正食研究所 所長の岡部賢治先生のマクロビオティックの講義の中からの私のプライベートノートをシェアします✨ご興味のある方は、読んでみて下さい。岡部先生のお話は、とても分かり易いので、お勧めです💕 肉や魚(蛋白質)を食べても、体内ですぐに蛋白質に変わる事はありません。蛋白質を含む全ての食べ物は、一度、消化のプロセスを辿り、アミノ酸まで分解されます。そして、お腹の中にある腸内細菌(発酵菌、乳酸菌、発酵菌、ビフィズス菌等)が肝臓と連結して、その人独自の蛋白質を蘇生します。動物性蛋白質は、アミノ酸に分解される過程で、様々な毒素を腸内で吐き出します。動物性蛋白質は粒子が大きいので、腸内の悪玉菌が分解してくれるのですが、分解過程でアンモニア、インドール、スカトール、フェノール、硫化水素、尿酸、アミンという毒素を排出。これらの毒素は、悪玉菌の餌となり、腸内を腐敗し血液を汚し、様々な病気の元をつくります。悪玉菌が優位な腸では、おならや便がとても臭くなります。 一方、野菜や穀物(良質のデンプン)は、毒素を発生させる事なく、アミノ酸をつくります。分子の細かいデンプンは、善玉菌と連結し、アミノ酸を製造し、蛋白質、ホルモン、コラーゲンを蘇生します。その為、野菜や穀物中心の食事に変わると、腸内環境は善玉菌が優位となり、綺麗なサラサラ血液を作ります。 その為、血流が良くなり、悪い細胞も減少していきます。 お肉や魚を食べてはいけないという事ではなく、上記の仕組みを知っていると、食事の調整が出来やすくなります。古来の日本人は、お正月やお祝い事、お祭り等のハレの日に、ご馳走を食べていましたが、毎食、食べてはいませんでした。晴れ(ハレ)と褻(ケ)の日はワンセット✨ 普段の食事は、なるべく、ケガレ(氣枯れ)を払えるご飯を心がけています。 動物性蛋白質や油物を食べ過ぎた後は、りんごや大根を食べると、酵素の力が消化を助けてくれます👍 魚の毒消しは、柑橘類が良いです👍 カリフォルニアでは、もう暫くお家ご飯が続きそうですが、家族の輪を大切にしながら、バランスの良い食事で健やかに毎日を過ごして行きたいと思います♫
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